約 4,612,073 件
https://w.atwiki.jp/elvis/pages/1445.html
The New York Times Guide to the Best 1,000 Movies Ever Made (Film Critics of the New York Times) New York Times CompanyPeter M. NicholsA. O. Scott Chilton's Motor Age 1993 Service Bay Handbook for Technicians/Domestic Import Cars Trucks (Chilton's Service Bay Handbook) Kerry A. FreemanPeter M. ContiW. Calvin Settle Chilton's Ford Full Size Trucks 1987-93 Repair Manual (Chilton's Total Car Care) Kerry A. FreemanPeter M. Conti The New York Times Essential Library Children's Movies A Critic's Guide to the Best Films Available on Video and Dvd (New York Times Essential Library) Peter M. Nichols The New York Times Guide to the Best 1000 Movies Ever Made Vincent Canby?Janet Maslin?Peter M. Nichols Chilton's Auto Repair Manual 1991-1995 (Chilton's Auto Service Manual) Kerry A. FreemanPeter M. ContiW. Calvin Settles? Chilton's Ford Crown Victoria/Grand Marquis 1989-93 Repair Manual (Chilton's Total Car Care Repair Manual) W. Calvin SettlePeter M. ContiNick D AndreaChilton Book CompanyKerry A. FreemanDebra Gaffney The Best Dvds You've Never Seen, Just Missed, or Almost Forgotten A Guide for the Curious Film Lover Peter M. NicholsA. O. Scott
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/3275.html
0 第二のサバイバルゲーム 「お前ら、起きるのじゃ」 僕、天野雪輝はその声に目を覚ます。 その声には聞き覚えがあった。 ムルムル…デウスの使い魔である奴だ。 だが、なぜお前らなんて言っているんだ。 まるで僕以外にも誰かいるみたいじゃないか。 「ッ――――!」 いや、前言撤回。 僕の周りには人間がいた。 一人ではない、数十人…70人以上は居る。 ムルムルはこんな人数を呼んだのか…。 「ふふん…全員起きたようじゃな……それでは…ゲームを始めるぞ」 ゲーム、と聞いて僕は背筋が凍った。 ムルムルの言うゲームが、どういった種類か予想がついたからだ。 一回目は、デウスの計画ではあった。 だが、ムルムルも同じような事を考えるだろう。 つまり…これから始まることは……。 「サバイバルゲーム…俗に言うバトルロワイアルじゃ」 予想は当たった。 だが…それは当たってほしくなかった。 バトルロワイアル…名前だけなら聞いたことはある。 最後の一人になるまで殺し合う、最悪の計画。 それが今…僕たちに起ころうとしている。 「ざっけんな!!」 一人の青年が叫んだ。 夏服を着たツンツン髪の高校生―――上条当麻がその計画を認めるわけが無い。 彼は完全に正義の人間だ。 こんな異常な状況でもムルムルに対抗する。 「ふざけてなどおらぬぞ…ワシは真剣じゃ」 「何が真剣だ!?殺し合いなんか…認めれるわけねえだろ!」 ムルムルに対して退く事が無い少年。 ただ呆然と見ていただけだったが、そのうち僕はとあることに気付く。 携帯電話…いや、未来日記から聞こえる雑音<ノイズ>…。 僕は急いでそれを見た。 ?? ??[??] ツンツン髪の人の首輪が作動し彼が死んだ。 僕は何も考えられなかった。 HAPPY ENDで動かなくなったはずの未来日記が作動していたから。 驚くべきはもう一つ…HAPPY ENDが消えたこと。 つまり、HAPPY ENDは消されたんだ。 僕と由乃の幸せが…消された。 「…テメェが、何を考えてるかなんて知らねぇ。 だが…命をこんな風に扱うなんて、認めるわけねぇだろ!」 そして、あの叫んでいる青年の死刑宣告が書かれていた。 だから、止めなくてはいけない。 きっと…僕くらいしかこれは見れていないはずだ。 だから止めなくてはいけない。 止めなくては……。 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 青年はムルムルに飛び込んだ。 右手を思い切り引いて殴りかかろうとする。 僕はいつの間にか思い切り叫んでいた。 きっと届かないのであろうと思いつつ。 「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 ピーーーー、ボン 聞こえてきた音は機械的な音だった。 ムルムルがボタンを押して、にやりと笑った。 体中に返り血を浴びて尚、怯まない。 それどころか、笑っている。 全員何もしゃべっていなかった。 だが、そのうち周りが騒がしくなる。 泣き叫ぶ者。 歓喜する者。 はたまた…何もしていない者まで。 「……なんて、ことだよ」 僕は死んでしまった彼を遠目に見る。 表情は見えないが、無残なことには変わりなかった。 彼に近寄ろうとして止められている人もいた。 親族か何かなのか。 それとも友人なのか。 僕には分からない。 僕に分かる訳が無い。 それ以前に分かろうなんて思えない。 「では…ルールを説明するぞー……一度しか説明せんからのー、良く聞くんじゃぞ」 ムルムルがゴホン、と咳き込んで話し始める。 「お前らには3日間期間をやるのじゃ、その間に殺し合うのじゃ。 もしワシに逆らおうなんて思ったり3日以内に優勝者が決まらなかった場合… 先ほどの奴みたいになるから注意するのじゃ」 逆らったりしたら殺すなんて、わずかにすら許されないのか。 僕は焦りを感じていた。 ムルムルが何を目的に殺し合いをしているのか。 そしてなぜ僕を呼んだのか。 それが全く読めないからだ。 「次は武器じゃな…まず、お前らにはそれぞれ何個かものを配る。 それは銃かもしれないし、ただの棒かもしれぬ…。 何が入っているかはお主らの運次第じゃ」 ムルムルがこっちを見てニヤリと笑った。 それのせいで、いや…元々だったがさらに不愉快になる。 「あとはお主らに配るバックの中のもんじゃな。 とは言っても飯やら入っとるだけだから説明はいらぬな」 ここでムルムルは立ち上がった。 そして高らかに宣言した。 「ではここに第二のゲーム、バトルロワイアルを始めるのじゃ!」 そこで、僕の意識は闇へと落ちた。 目覚めると同時に、僕は悪夢を見るのだろう。 そんな気がしてならなかった。 【上条当麻@とある科学の超電磁砲 死亡】 【残り 82人】 【ゲーム―――開始】
https://w.atwiki.jp/walkpedia/pages/147.html
全学共闘会議、鯖でサバゲーの反省を活かして完成した究極のサバゲー企画。 広い場所=高田馬場、サバゲー感=全学の時の銃、で完全なものとした。 しかし、企画当日の天気予報は生憎の雨。 延期にせざるを得ないと思われたが、 実際は雨があまりふっていなかったので実施されたデバッグ企画。 本物の企画はReババイバルゲーム、通称、リバイバルゲーム、として 8月に延期された。 7月実施
https://w.atwiki.jp/keikenchi2/pages/1133.html
ヒウンシティのセントラルエリアの港に、あるタブンネの一家が歩いていた。 父に母、長男次男、長女次女とべビタブンネの7匹の家族だ。 本来、森に住むタブンネだが、こんな港街に出てくるにはわけがある。 森の食料が不足してきたのだ。つまり、この一家は港の船に密航し、暖かくて住みやすい場所に 移住のである。「ミッミッ、ミッミィ、ミッミッ。」新たな土地に期待を膨らます家族。 そのうちに港に入るタブンネ達。港に船は3つある。どの船に乗るか迷うが、一家は密航者だ。 当然、人が並んでいない青い船に乗ることにした。ここだけの話、これが一家の痛恨のミスであった。 青い船にはなにやら重装備の人々がコンテナや積み荷を運んでいる。タブンネ達は、そのコンテナに 入りこんだ。母タブンネの木のバスケットにはオレンの実が30個ほどある。移動中での食料だ。 15分後、船は出港した。タブンネ達は、見つからないよう、静かにしながらも、「ミイミィ」と おしゃべりを楽しんでいる。そんなタブンネ達が、理想の地を踏むのは3日後だった。 荷物室の積み荷が出され、一家が入っているコンテナも取りだされた。 (はやく、理想の地が見たいミィ。)人の気配に気を付けながら、戸を開けると、強い吹雪が入ってきた。 「ミィッ!?」「ミッミィ?」目の前に広がるのは広大な氷の景色。タブンネ達は驚きを隠せない。 そう、タブンネ達が乗り込んだのは、南極行きの砕氷船であった。港で人が並ばないのは当然である。 この瞬間から、タブンネ一家の死の南極サバイバルは始まるのであった・・・。 広大な氷の景色。それが信じられないタブンネ達は思わず目をこする。 (ここはどこ?おいしい木の実の木はどこ?)もちろん木などは一本も生えていない。 焦った一家は引き返そうとしたが既に砕氷船は海の上。完全に退路を断たれてしまう。 タブンネ達にはただ、氷の世界をさまよう術しか無かった・・・。 -30℃。温暖な森に住むタブンネには絶対に味合わない気候だ。 現在、一家にはバスケットのオレン12個と自分達のでっぷりした脂肪しかない。 南極を歩いてもう、1時間が経つ。一家の顔は寒さによる鼻水と、後悔の気持ちの涙が 氷柱を作っていた。「チィチィ」ただ一つ、べビタブンネは母の懐の中で無事であった。 「ミヒィ・・・ミヒィ・・・」(ママ、さむいよ、おいしいオレンの実がたべたいよう) 次男タブンネの悲痛な声。早くも次男の体には異変が起こっていた。 触角が紅く腫れ、水泡ができていた。言うまでもない、凍傷の症状だ。 可哀想に思った母は数少ないオレンの実を次男に渡す。 「ミイイイィィィ・・・。」喜ぶ次男。オレンを噛もうとする。しかし、「ミギィッ!?」 次男の舌がオレンに張り付いてしまった。この寒さで木の実も一瞬で凍ってしまうのだ。 「ミギィイイイイィッ、ミイィィッ!」焦って外そうとするが、力不足。 次男の舌はどんどん凍りついて行く。しかし、極寒の恐怖はこれでは終わらなかった。 舌から凍りついて行く次男。このままではいけない。列を先導していた父タブンネは 覚えている火炎放射を応用して指先に炎を込めて氷を木の実ごと焼き切る作戦にでた。 「ミイィィ・・・ミッ・・。」神経を擦り減らせる作業だ。ジュウゥゥゥ・・・ なんとか、成功はしたが、次男の舌の氷はどうにもならなかった。 それから2時間後、家族は疲労困憊だった。「ミグゥゥ・・・」一番泣いていた長女は 涙が凍り、右目が完全に凍ってしまった。また、体ができている両親は平気だが、 子供達の中にも凍傷が広がっている。両親は後悔と自責の念で涙が止まらなかった。 (あたたかい土地で新しい生活ができるとおもったのに・・・。甘くて美味しいオレンの実を かわいい子供たちにたべさせたかったのに・・・。どうして・・・?どうしたらいいの?) 「ミグググゥゥウゥゥウゥウゥ・・・。」タブンネ達の泣き声が氷の世界に空しく響く。 しかし、タブンネが歩いて行くと、そこには1つのある程度大きな建物があった。 南極探検隊の基地だろう。つい最近使われたらしく、食料も備えてあった。 タブンネ達の大好物のオレンもあった。タブンネ達はここを拠点とし、助けを待つことに 決めたのだった。 基地に入ったタブンネ一家。中に入ると暖かい。つかの間の安息に一家は涙を流して 喜んだ。父のかえんほうしゃで暖炉に火を付ける。凍えていた子供達はわれ先に暖炉に 駆け寄る。母タブンネもべビタブンネを暖めるために暖炉に座る。 「チィチィ」母の懐にいたべビタブンネは何事も無いように元気だ。全員ここにいる。 安心した母は思わずまどろむが、その瞬間、「ミギャァアアァァア!!?」「ミアァアアァアア!?」 次男と長女の悲鳴が部屋に響く。何があったか両親は2匹に駆け寄ると、思わず息を呑んだ。 暖炉の熱で次男の触角と長女の右目が溶けてしまったのだ。凍傷で芯まで凍っていた証拠だ。 「ミグゥゥウゥウ・・・」「ミヒィイイィイイィ・・・」2匹の子供の泣き声が響く。 (どうして・・・神様、助けて・・・ヤグルマの森に帰りたいミィ・・・)我が子の悲痛な叫び・・・。 両親は改めて後悔に顔を歪めた。やがて、空が暗くなり、さらに冷え込んだ。 家族は夕食を始めた。倉庫のオレンを一人2個。感謝を込めて頬張るタブンネ達。 甘くておいしいオレンの実。本当は暖かいところで食べるハズの・・・。家族が美味しくオレンの実を 口の中で溶かす中、次男だけ、違和感があった。「ミィ?」味覚が感じない、口で何か別の物が溶けている。 次男が父に口内を見てもらう。父は言葉を失った。次男の口内ではオレンではなく、凍傷にかかっていた 舌が溶けていた・・・。南極の恐怖はまだ、序盤である。 暖炉と食料の生活から4日が経った。倉庫の中のオレンは5箱、150個ぐらいだ。 しかし、いつまで待っても助けは来ない。両親は少しずつ不安が募って行った。 次男は舌と触角を失い、落ち込んでいた。他の3匹の子供達は暖炉の周りで走り回っている。 そんな時、暖炉の火が消えた。基地の燃料切れである。「ミッ?ミイイィィィィ!?」 驚きと寒さの余り、騒ぎ出すタブンネ達、父が火を吐いても効果は無かった。 3日後、オレンの実も半分以下になった。室内でも-4度はあるだろう。家族達はどんどん衰弱していった。 焦った父タブンネ。どこかにオレンの実の木はないか?そう思うと、自分はまだ元気な長男を 連れ、母に子供を任せると2匹で吹雪の中へ食料を探しに行った。 足の裏が冷たい。ハート型の肉球は霜焼けで紅く腫れていく。慨に2匹共、耳や触角が白く変色し始めている。 外に出て2時間、オレンの木など見付かるハズは無かった。落ち込む2匹に更なる不幸が襲う。 「ミイイイイイイイィィイイィィィイイィッ!!?」長男タブンネが足を滑らし、谷底に落ちてしまったのだ。 涙を流しながら、互いの距離が広がって行く。谷が深すぎたせいで長男の姿は見えなくなった。 父タブンネは泣きながら、基地に戻って母に応援を求めにいった。 その頃、落ちた長男タブンネは更なる地獄を見ていた。 父が応援を頼みに行っていた頃、長男タブンネは300m下の谷底にいた。 長男が落ちた時、ボヨーンと青くて柔らかい物がクッションとなって助かったのだ。 しかし、その青い物体はトドゼルガの腹だった。「ブオオオオオオオオォォォ!!」 怒りのトドゼルガの雄叫びが谷底に響く。「ミイイイイイィィィ!?」長男の絶望的な 悲鳴が響く。(ゴメンなさいミィ。殺さないで、死にたくないミィ!) (ココはワシの縄張りだ!入った物は許さんッ!)長男の必死の命乞いも誇り高きトドゼルガ には無意味だった。(死ねェ!絶対零度じゃ!)トドゼルガの口から最強の冷気が発射される。 冷気が長男の体を足から凍らせていく。「ミヒィイイイイィイイィィ!?」自分に迫る死の恐怖 にかられ、長男は父に助けを求める悲鳴をあげる。しかし、父はまだ基地にいた。 (助けて!誰かァ!)冷気が長男の体を固めた。「ミィッ!ミィッ!」(パパッ!早く来て!!) 長男は耳を澄ますが、既に耳は凍って使い物にならなかった。トドゼルガは海に潜って行った。 「ミイミィミィッ!ミイイィイイィィ!!」動かなくなっていく体で助けを求める。 もう時間が来たようだ。「ミ・・・ィ・・・。」(パパ・・・助け・・・) 最期の弱々しい声と共に長男は死んだ。家族が救援に来た時、絶望に満ちた死に顔に皆泣いた。 「ミヒィ・・・ミグゥ・・ゥエ・・・。」非業の死を遂げた長男。その死を悼む家族の声が 空しく響く・・・。(ゴメンよ・・・。パパのせいで。お前の命を奪ってしまったミィ。) せめて基地の近くに立派な墓を建ててやろう。氷付けの長男タブンネの死体を持ち帰る。 しかし、その道中にまたも惨事が起こる。「オニ―ィッ!」オニゴーリと遭遇したのだ。 (俺達オニゴーリは、ルイべが大好物なんだ。その死体、戴くぜ!) (何を言うミィ。これは家の大事な息子だミィ!)しかし、父タブンネの抵抗も空しく、 長男のルイべは奪われてしまった。「ミイィィィッ!」子供を返せと父が叫ぶ。 (返すワケねえだろバーカ。」オニゴーリに冷たくあしらわれ、父が殴りかかってきた。 父タブンネの鈍いパンチをかわすオニゴーリ。そのまま父の左腕に噛付いた。 そのまま、かみくだく。「ウビヤアァァァァァァァアアァァビイィイイィ!!」 左腕が見る間に粉砕され、父タブンネの悲鳴が南極に響く。構わずオニゴーリは噛みつぶす。 腕は肉や血、骨がグチャグチャに混在され、ただの肉片と化した。「ウビイイイィ・・・。」 のたうち回る父に母がいやしのはどうをかけるが、最早、効果無し。腐り落ちるのを待つのみだ。 父タブンネが重傷を負い、慌てふためく一家を見ているオニゴーリ。いい考えが浮かんだようだ。 良からぬ考えが浮かんだオニゴーリ。混乱している一家の中から一番小さい子タブンネを 捕まえる。「ミィィッ!ミィーッ!」捕まった次女タブンネが助けを求める。 両親は「ミィミィ」と子供を返すように懇願するが、オニゴーリに無視される。 ミィミィ泣く次女を自分の頭に置き、そのまま空気中の水分で凍りを作る。 すると、氷がカプセルを型取り、次女を閉じ込めた。また、カプセルの下からは、刃が 出てきた。皆も知る、ミキサーの完成である。「ミッミッミッ・・・ミヤァァァアアァァ!?」 今度は自分が殺される。自分に迫る死の恐怖にかられ、次女は泣き叫び、糞尿を垂れ流しながら、 氷のカプセルをガリガリ引っ掻いている。もちろん、無駄な抵抗だ。 両親も顔を涙と鼻水、涎でグシャグシャにしながら必死に「ミヒィミヒィ」と懇願している。 それを見てオニゴーリは上機嫌になった。次女は「ミギャァアア!」とまだ必死に氷のカプセルを 引っ掻いていた。しかし、両親は頭を下げることしか術がなかった。 (よく見てな。)オニゴーリは残酷な笑みを浮かべ、ジャイロボールを始めた。 その瞬間、次女の足元が血を噴きあげた。「ミギャアァアアァァァァァァァァァアア!?」 次女が絶望に満ちた奇声を上げ、自分の糞尿と共に溶け始める。 (パパッ!ママッ!助けてエェェ・・・。)次女の悲鳴は空しく幻へ消えていく。 「ビヤアアァァァアアッミビイィィィィイイィ・・・!!?」その内、次女は赤茶色のムースに なっていった。その光景に母はもちろん父タブンネは呆然としていた。自分の愚行のせいで、 木の実はおろか、長男に次女、自分の左腕を失った事実に気付くのはもう少しかかることになる。 自分の愚行によって、長男と次女に自分の左腕を粉砕された父タブンネ。結局、長男の死体はオニゴーリに ルイべとして食われ、基地の前の小さな墓にオニゴーリミキサーにかけられた次女のムースが一すくい入っていた。 あれから3日。父の左腕は辛うじて付いており、母タブンネがいやしのはどうをかけるが、腐り落ちるのは時間の問題だった。 それから2日後、父タブンネの腕は腐り落ちたが、父は無言だった。そんな中、べビタブンネだけが「チィチィ」元気に鳴いていた。 こうしてはいられない。早くオレンの木を見つけねば。父タブンネは全く懲りていなかった。 嫌がる次男を無理やり連れてまたも南極をさまよった。「ミヒィミヒィ」(もう帰りたいミィ。いやだミィ。)次男は弱音を吐くが、 「ミィッ!ミィミィッ!!」(お兄ちゃんの死を無駄にするなミィ。オレンの木をなんとしても探すミィ。」父の一括。 しかし、見付かるハズもなく、スゴスゴと基地に帰るしかなかった。そんな生活が5日たったある日、次男の体に異変が起こった。 次男の両足が真っ赤に腫れ、化膿していたのだ。「ヒィヒィ」呻く次男。元から寒さに弱かった次男。ここに来て触角と舌を凍傷で 失っていた。今回も厳しい寒さの中、尖った氷を踏みつけたため、足の傷口が炎症と凍傷を併発していた。 本来なら、ポケセンに行くべきだが、手元にあるのは、包帯しかなかった。「ミヒィミヒィ」と苦しむ次男。 両親は究極の選択を迫られることになる・・・。 次男の足は日に日に悪くなっていくばかりであった。倉庫にあった包帯を巻くが、もちろん効果は無かった。 最初、紅く腫れていたところは紫や茶色く変色し、異臭を放ち始めた。つまり、壊疽である。 神経は生きているらしく、次男は「ミグゥ・・・ウビイ・・・」と呻いていた。(パパのせいだ。ボクの足を かえせミィ!)やがて、父タブンネに憎悪の視線を送るようになっていった。父タブンネは泣いて後悔し、 次男の足が治ることを神に祈るしかなかった。しかし、既に治療法は両足の切断しかなかった。 それから2日後、壊疽は太ももに広がった。だが、父が倉庫をあさると、一本の鋸(冷凍マグロ用)を発見した。 もう時間が無い。切断を行う。父に憎悪の視線を送りながら「ヒィヒィ」苦しむ次男。父の手元の鋸を見ると、 「ミヒィイイィイイィイイ!?」絶望の奇声を上げた。暴れる次男を諭す両親。「お前の足はもうダメだミィ。 生きるために足を切るミィ。」次男は余りの恐怖に気絶してしまう。今しか切るチャンスは無い。 切断は両腕がある母タブンネが行うことになった。べビタブンネは長女に預け、気絶中の次男の体を父が押さえる。 意を決し、母タブンネが重さ十数キロの鋸次男の右足の太ももをゆっくり引いた。その瞬間、目を覚ました次男が 「グビヤアアァァァァァアアァァァァ!!ウビイィィイイィイイィ!!?」この世で一番の悲鳴を上げた。 両親は謝罪と自責の念にかられ、泣きながら手術を続行した。 「グビイィイイ!」右足を切られる次男タブンネは子供とは思えぬ力でのたうち回る。 母タブンネは手術を早く終わらそうと焦るが、寒さで引き攣った体に加え、重さ十数キロ の冷凍マグロ用の鋸では到底終わるものでは無かった。「ウビイイイイイィイイィィ!!」 2時間後、次男の悲鳴は止まらない。しかし、今だに右足の半分も切れていなかった。 床は血で染まり、母タブンネも父タブンネも返り血を浴び、紅くなっている。 「グビイィイイィィイイィィィィウビャァアアァアアァアアアァアァ・・・!!」 (痛いよォ!ママァッ!もう止めてェ、死にたいミィ!)鋸を引くたびに疲れ果てる母。 次男タブンネの痛みは長引くばかりだった。次男は白目を向き、血の泡を吹いて叫ぶ。 8時間後、ようやく右足を切り終えた母。次男、父3匹疲れで満身創痍だが、左足がまだある。 憎悪の視線を一万倍強め、両親をただ睨む次男。親子関係もズタボロだ。次の左足。 「グビイィィィイイィィイイィミガアアァァァァァァァアアァアアァアアァ・・・!!?」 (もうイヤだ。痛いよォッ!苦しいよォッ!)5分かけて引かれる鋸。その都度、血が吹き出し、 両親の体を涙と鼻水、返り血が染める。12時間後、合計20時間かけて次男の両足の切断は終了した。 足の切り口は包帯で無造作に巻かれ、次男は気絶した。「ミヒィ・・・ヒィ・・・」 改めて、疲れと後悔、謝罪の涙を流す両親であった・・・。 またも父タブンネの愚行のせいで次男タブンネは触角、舌ならず、足までも失ったしまった。 地獄の大手術から5日後、目を覚ました次男。起き上がろうとするが、転んでしまう。 しばらくして自分の足が太ももから無いことに気付き、落ち込んでしまった。 「ミブァァァァァァアアァアア・・・。」時々泣きだすこともあった。 しかし、一家はそれどころでは無かった。基地の倉庫にあった莫大な量のオレンが尽きてしまったのだ。 つまり、一家の食料は全く無し。飢え死にを空しく待つだけだ。最初の2日間は堪え切れたが、 だんだん空腹はひどくなっていくばかり。母タブンネに至っては母乳の出が悪くなり、「チィ・・チィ」 べビタブンネも衰弱が見えてきた。 一週間後、家族全員が痩せこけ、父は外に出る元気も無く、母は母乳が全く出ず、べビタブンネは母乳を 求め「みーっみーっ」と泣くばかり。一家全滅という絶望の最中、たった一つだけの生きる術に皆が 気付いた。そう、ここにいるだれかを食すことだ。残酷だが、家族の視線はただ一つに向けられた。 「みーっみーっ」べビタブンネである。今まで、辛い時も笑顔を振りまいてくれた赤ちゃん…。 運命の残酷さに家族は涙を浮かべる。ただ1匹、何も知らないべビタブンネが「チィチィ」鳴いていた。 せめて、苦しませないように・・・。父タブンネは10万ボルトでべビタブンネの心臓を止めた。 「チ・・・ィ」べビタブンネはゆっくり目を閉じる。これが赤ちゃんとの永遠の別れ・・・だと思った。 夜になり、家族の悲しい夕食が始まるが、事件はその時起こるのだった・・・。 家族が囲む夕飯の輪にべビタブンネが皿にちょこんと乗っかっている。 (今までみんなに元気をくれてありがとう。ゴメンね…。)家族全員がべビタブンネに感謝の 黙とうを奉げる。皆が涙ぐむ中、父タブンネの包丁によってべビタブンネの胸が断ち切られる。 すごく血生臭いが、皆、目を背けなかった。しかし、その瞬間、「ビギイイイイィィィ!?」 一瞬、誰の悲鳴か分からなかったが、たしかにそれはべビタブンネのものだった。 「ミグゥウゥウァアアァァ!」胸と腹から血や腸を撒き散らし、とても赤ちゃんとは思えぬ悲鳴で べビタブンネが苦しみもがく。実はさっき父タブンネが放った10万ボルトがあまかったのだ。 急いで母がいやしのはどうをかけるが、べビタブンネはチアノーゼをおこし、意味を成さない。 「ビィーッウビイーッ」見る間にべビタブンネは吐血でアゴを血に染め、臓物、糞尿を撒き散らす。 その様はこの世で最も悲惨な赤ちゃんといっていいだろう。「ビブォッ!ガフッ!ミガガガァ!」 やがて、手足をジタバタさせ、狂ったような奇声をあげ、最期の「ミゲオォッ!!」すごい勢いで 吐血し、白目をむいて、泡を吹いて死んだ。全て父のミスである。 その後、家族の夕食がさらに涙と暗黒のムードになったことは言うまでもない。 悲しい夕食から2日後、べビタブンネの犠牲も空しく一家は空腹だった。べビタブンネの骨は 基地の前の粗末な墓に元次女のムースと共に安置された。7匹だった一家はもう4匹に減った。 悲しみに一家が包まれる中、またも不幸がタブンネ一家を襲う。次男であった。 父の愚行で両足と触角、舌を失い、歩くことも出来ず、包帯を腰に巻き付け、オムツ生活を送っている。 切断した傷も化膿し、炎症が起こっている。終いには傷口から入った黴菌が脳に入り、脳症を引き起こした。 毎晩「ミグオオォォオオォォォォ!!!」(足を奪ったクソジジイ!許さんッ!)と叫び続け、父を見るたび、 憎悪の視線は強まった。そんなある夜。惨事は起きた。「ビグゥウゥウォオオ!」「ウビイイイイイィ!?」 次男の叫びとは別にもう一つの悲鳴があった。長女である。驚いた両親はすぐに次男を見に行く。 その光景は狂った目付きの次男が水を持ってきた長女に噛付いていた。「ミヒィイイィいい!」長女の悲鳴。 「グへへへヒィィイイ!」(オレに惨めな思いをさせたクソジジイ!死ね!)脳症を引き起こしていた次男は 偶然、水を持ってきた長女を父と間違えたのだろう。すでに個人の判別も出来ていなかった。 既に長女は次男に触角を噛み切られ、足はズタズタに引き裂かれ、右足が足首から千切れていた。 「ミヒィミヒィミヒィ」痛みと恐怖に泣き叫ぶ長女。それを「ミガァァアアァァ!!」タブンネとは思えぬ、 恨みと獣の形相で父を殺しているつもりで長女をボロ雑巾にしていく次男。目の前の地獄絵図に両親は呆然 とするばかり、絶望の声で「ミギィミギィ」助けを求める長女タブンネの声さえ聞こえなかった。 「ブガガハア―ッ!!」最早、獣と化した次男。足の無い体で素早く這いまわり、長女を引き裂いて行く。 「ミブィ・・・ミブイイィ!?」血を撒き散らしながら必死に両親に助けを求める長女タブンネ。 (パパ、ママッ!おねがい。早く助けてミィ!)しかし、次男タブンネの変貌に唖然とし、両親の耳にそれは 届かない。事実上、父タブンネの罪を被って無実の制裁を受ける長女の運命は絶望的だった。 「ブガァァァァ!」狂気の次男が長女の腹に噛付き、破った。「ウビイイイィィイイィィイイィ!!!?」 大量の血と臓物を吹き上げ、苦痛と絶望の悲鳴を上げ、「ミブォッ!」と血を吹く長女タブンネ。 (死ぬのイヤだよ!早くゥ!いたいよォォ!)脳がイカれ、父を殺しているつもりの次男。 長女の悲鳴を気分良く、嘲笑い、腸をズルズル食い漁っている。「ブゲゲゲゲエエェェ!!」 飛散した臓器を全て食い、「ミグゥゥウゥゥウ・・・」と苦痛に呻く長女の腹に顔を突っ込み、食い荒らす。 目の前の凄惨な光景に両親は自分がすべきことすら見失い、口を開けて見ているだけ。 「ミビャァアアァァァァァアアァァ!!ミビィイイイイィィィイイィィイイィイイィイイィィ!!?」 内部から臓器を荒らされ、長女は白目を剥き、口と腹から血を吹き上げ、のたうち回る。 5分後、顔を紅く染めて顔を上げた次男。最高の笑みを浮かべている。長女はチアノーゼを起こし、「ヒィヒィ」 呻ってビクンビクンと動いている。虫の息の長女に次男は渾身の力で鼻の骨を叩き割った。「ミグ・・ゥァ・・」 乾いた悲鳴と共に鼻から脳をニュルニュル吹きあげる。しばらく経って長女は脳を吹いたまま息絶えた。 疲れ果てた次男は意識を失い、倒れた。両親は、やっと正気を取り戻し、言葉を失った。目の前には、顔が変形し、 右足が千切れ、臓物、血をぶちまけた長女の変わり果てた死体が転がっていた。その死に顔はいつまでも両親を 見つめ、(はやく、たすけて!死にたくないミィ)と訴えていた。その責任は元を正せば全て父タブンネである。 狂った次男タブンネに惨殺された長女タブンネ。その死体は基地の前の墓に葬られた。 しかし、それから次男は一日中喚き、暴れていた。自分が殺したつもりの父。父の愚行で足を奪われ、 正に殺しても飽き足らないのだろう。「グオオオオオォオオォ!!」と父を恨む声を上げる次男。 そんな、変貌してしまった次男。その狂暴さを両親は恐れ、足の包帯を換えることも、オムツ代わりの 腰に巻いた包帯も換えず、別の部屋に引きこもっていた。つまり、看護を放棄しているのだ。 不潔なため、足の切断面は膿が吹き出し、またも、壊疽を引き起こした。その上、長女タブンネの臓物 を生で食いあさったため、腹を下し、オムツ包帯には下痢便が溢れ、様々な異臭が立ち込める。 食事もなく、次男の死も時間の問題であった。「ミヒィ、ミヒィ、ググ・・グオオオオオォォオオ!!」 自分の責任で苦しみもがき、呪いの声を上げる次男。しかし、既に両親は次男の事など頭に無し。 自分達2匹で、助けを求め、故郷に帰ることを考えついた。次男を置き去りにし、基地を後にする両親。 子供3匹(長女・べビタブンネ・元次女のムース)の墓に手を合わせる。「ミグゥ・・・ミヒィィィ・・・」 (ゴメンね・・・。パパとママが森の木の実を一人占めしたばかりに・・・。)泣いて子供に詫びる両親。 ハート型の肉球を腫らしながらも必死に海岸を目指し、氷をさまよう2匹。助けが来てるかも・・・。 甘い願望を浮かべる両親。もちろん狂った次男の事など、どうでも良かった。「ミッ、ミッ、ヒィ、ミィ」 白く息を吐きながら故郷を目指す両親タブンネ。自分達の判断ミスで、子供達4匹を死なせ、次男タブンネ の両足を奪い、看護まで放棄した両親。自覚が無いながら、ここまでの悪行を行った外道の両親。 父タブンネの左腕だけで済むほど、神の裁きは甘く無いことをこの2匹の外道の豚は知る由も無い。 外道の両親タブンネはただひたすら海岸に向かって歩く。もう一度ヤグルマの森に帰って家族を やり直そう。そんなことを考えながら歩くこと3時間。疲れた両親はバスケットからオレンの実を 2個出す。実はこれ、子供達にナイショで隠し持っていたモノだ。夫婦が実を頬張るそのとき、 「レ―ジ―ア―イッ」両親の目の前の氷がひび割れ、レジアイスが飛び出したのだ。 「ミヒィッ!!」驚いた両親は隠しオレンを思わず落とす。それをレジアイスは構わず踏みつぶす。 「ミイッ、ミィミィ」なんとか命は助けて。と許しを乞うがただのバカである。 「レ―ジ!レジ!レジ!」(美しい南極の景観や住民を乱すとは何事ダ。ここで始末スル。) 「ミヒィ、ミイミィ」必死で命乞いするが、この外道の豚に助かる理由など無い。 「ビィーーーーーーー」レジアイスの古代の吹雪が大罪人、父タブンネの体を直撃した。 「ミガガガガガァアア!!?」震えた悲鳴を上げ、父タブンネは氷のクリスタルに包まれた。 「ミイィイイイイィ!!」逆上した母タブンネがひみつのちからを放つが氷の世界でレジアイスに 効果は無かった。「ミッミミ?」うろたえる母タブンネの足元にレジアイスは冷凍ビームを放つ。 「ミヒィィイイィ!?」足が凍り、動けない母タブンネにレジアイスは(お前も罪人ダ)と言い放ち、 母タブンネにラリアットを撃つ。「ウビイィイイィィイイィ!!?」両足が氷ごと砕け、母タブンネ は吹っ飛ぶ。「ミヒィミヒィ」と苦痛に歪む母。去り際にレジアイスは(いい地獄を体験シロヨ。) と言い、飛んで行った。 自分と氷付けの夫。母タブンネは耳を澄ます。父の心臓は動いていた。はやく直さないと。 母タブンネは足の無い体で血の線路を作りながら、必死に氷付けの夫を押し、這いながら基地に戻る。 「ミヒィ・・・ヒィ、ミィ、ヒィ・・・。」膝下から血がどくどくと出る。しかし、自分の足の苦痛 に耐えながら基地に帰る母タブンネ。(もう一度、ヤグルマで家族をやり直すんだミィ・・・。がんばる んだミィ・・・。)夫婦が基地に戻ったのは12時間後。次男のことなど、頭にあるハズもない。 足の無い体で懸命に父タブンネを看病する母タブンネ。両足の出血は止まらず、這うたび、 血の線路を作る。母タブンネの看病も空しく、父の心臓の鼓動は弱まり、3日後、心臓は止まった。 「ブミヤァァァァァァァァアアッ!?」人生のパートナーを失い、泣きわめく母タブンネ。 数分後、突然、「ミへへへへへへ」と笑い、氷付けの父タブンネにいやしのはどうを当て続ける。 それから、2日後、48時間ぶっ通しでいやしのはどう使い続けた母タブンネ。足の出血は止まること なく、血の水溜りを作っている。疲れ果てた母タブンネは「ミグゥフゥッ!」と血を吐き、死んだ。 氷の中の父タブンネは1㎜も動かない。誰もが死んだと思うだろう。しかし、生きているのだ。 レジアイスの特殊な冷気によって、体の細胞が凍結し、仮死状態に陥ったのだ。脳細胞すらも。 しばらくして、目を覚ます父タブンネ。脳細胞がわずかに意識を取り戻したのだろう。 (妻はどこだミィ?)探そうとするが体が動かない。父タブンネの意識を司る脳細胞以外は、凍結したまま である。つまり、この先、父タブンネが動かせるのは己の意識のみ。一生溶けることのない氷の牢獄に 閉じ込められる。また、特殊な氷なので、心臓が凍ったままでも生きていける。死ぬことも無く、 永遠に終わることの無い、氷の監禁生活。これこそが神の裁きである。 しかし、父タブンネの本当の地獄はそれから5年後である。 それから5年後、父タブンネは心で泣くか寝るだけの生活を送っていた。今日も変わらない味気ない生活。 では無かった。この基地の南極探検隊が帰ってきたのだ。 「隊長!倉庫のオレンがありません。」「隊長!氷付けのタブンネとミイラが転がっています!」 部下の報告に驚く隊長だが、すぐにタブンネを回収した。「隊長!地中から子供らしきタブンネがあります。」 また、別の部下は「隊長!子タブンネの頭部を発見しました。」それは長男の頭だった。さすがにオニゴーリも 頭は不味く、捨てたのだろう。「隊長!実は・・・。」「何だって・・・。」 そんな感じで、タブンネ一家は全て回収された。(やった!助かったミィ♪)甘い妄想に浸る父。眠ってしまう。 父タブンネが目を覚ます。しかし、体は動かない。そして目の前に並んでいたモノ。それは、右から長男の首、 ズタズタの長女、ムースの次女、骨だけの赤ちゃん、ミイラの母タブンネ。全員、凍結して保存されている。 そして、一番左には、立派な義足を付け、同族を食い殺す、見捨てたハズの次男の姿。父は言葉を失った。 そう、ここはシッポウ博物館の別館である。次男と一家の死体が、父タブンネを見つめるように配置されている。 次男はあれから5年、氷付けで、生存し、ここで解凍された。もう、タブンネとしての記憶は無い獣である。 この一家はイッシュ政府の国家虐待遺産とされ、厳重な管理の下、保管される。次男には毎日タブンネを10匹 プレゼントされ、狩りを楽しむ。もちろん父の生存も確認された。父タブンネは永遠に家族の死体の憎悪の 視線を浴び、変わり果てた次男と同族の惨劇をずっと一生、死ぬことなく見せられる。本当の生き地獄。 父タブンネの精神崩壊との終わることのない闘いはこうして始まるのであった。 南極サバイバル 完
https://w.atwiki.jp/bokuserve/pages/1637.html
【元ネタ】史実 【CLASS】ライダー 【マスター】 【真名】バイバルス 【性別】男性 【身長・体重】212cm・130kg 【属性】秩序・善 【ステータス】筋力B 耐久C 敏捷A 魔力D 幸運B 宝具B+ 【クラス別スキル】 対魔力:D 一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。 騎乗:B 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、 魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。 【固有スキル】 カリスマ:A 大軍団を指揮する天性の才能。 Aランクはおよそ人間として獲得しうる最高峰の人望といえる。 頑健:A 体力の豊富さ、疲れにくさ、丈夫な身体を持っている事などを表すスキル。 通常より少ない魔力での行動を可能とし、Aランクであれば魔力消費を通常の4割近くにまで抑えられる。 バイバルスは「世界を七周した男」と呼ばれ、1日でエジプトからシリアまで走り抜けた後でポロに興じたという伝説がある。 軍略:C 一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。 自らの対軍宝具の行使や、逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。 専科百般:B+ 多方面に発揮される天性の才能。 戦術、学術、暗殺術、詐術、馬術、弓術、狩猟術、 他にも政治全般の専業スキルについて、Dクラス以上の習熟度を発揮できる。 人間観察:B 人々を観察し、理解する技術。 ただ観察するだけでなく、名前も知らない人々の生活や好み、人生までを想定し、これを忘れない記憶力が重要とされる。 隻眼であるバイバルスはその身体的特徴を気にする事から、相手の心を読む能力に長けていたという。 【宝具】 『早駆けの伝馬(ジャムチ・バリード)』 ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人 バイバルスが整備した駅伝制度の再現。 彼が記憶している数多の名馬を魔力によって複製する。 複製された馬は短時間で消滅してしまうが、バイバルスは即座に新たな騎馬を複製し、乗り継ぐ事で補っている。 ……この駅伝制はバイバルスの独創ではなく、アッバース朝の同様の制度を手直しして再建したもの。 故に英雄の象徴というには弱いが、実際、これは彼が持つ真の宝具からの派生に過ぎない。 『戦奴の軍勢(バフリー・マムルーク)』 ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人 バイバルスの真の宝具。最強を誇ったマムルーク軍団の再現。 かつて彼に付き従い、十字軍やモンゴル軍を打ち破った将兵、武具、軍馬――軍勢のすべてを魔力によって形成する。 複製とはいえ、性格、属性、人生までを正確に記憶から再現された彼らは、本物と遜色ない能力を有する。 【解説】 勝利王(マリク・アッザーヒル)。マムルーク朝の実質的な創始者。 テュルク系遊牧民族の出身で、10代の頃にモンゴル軍の捕虜となり、奴隷として売り飛ばされた。 アイユーブ朝の貴族の目に止まったバイバルスはマムルーク(白人奴隷)軍団に編入され、 第7回十字軍では、マムルーク軍団を指揮してフランスのルイ9世を捕虜とする活躍を見せた。 しかし、新スルタンとなったアイバクとその腹心クトゥズがマムルーク軍団を排除する動きを見せた為、国外に亡命。 エジプトを脱出して各地を放浪するが、モンゴルの脅威が迫るとクトゥズと和解し、帰参する。 クトゥズと共同でモンゴル軍を撃破した後、その凱旋の途上で彼を暗殺し、新スルタンとなった。 即位後は国内体制を整備し、モンゴル軍と第8回十字軍を撃破しつつ、自国に有利な外交関係を構築。 内外の問題を解決し、マムルーク朝の基礎を築いた後、50代で死去した。 イスラム世界有数の英雄とされ、千夜一夜物語にも登場。その墓はサラディンの隣にある。
https://w.atwiki.jp/wiki9_vipac/pages/290.html
『皆さん、準備はよろしいですか?まもなく開始します』 事務的な女性の声が通信機から聞こえてくる。 ACガレージのすぐ外、周りには他にも味方のACが居る。 そして、この先広大に続く大地の各地に様々なレイヴンがいる。 これから始まるであろうレイヴン同士の壮絶な戦い。戦慄が走る。 『これより、第一回サバイバルアリーナを開始します』 この言葉を、開始の合図を聞いた時。 今更だが俺の中に少しの後悔が生まれ、次の瞬間には消えていた。 事の始まりを説明しよう。 まず、俺の名は偽・ワイズ。レイヴン・企業の情報を扱うリサーチャーだ。 だが、そんな事はどうでも良い。 これから起こる事はリサーチャーとしての俺はまったく関係ないのだから。 俺がそのメールを受信したのは、数日前の早朝。俺は仕事に疲れ、寝ていた。 五月蝿い、五月蝿い、五月蝿い…。なんだ、俺の眠りを妨げるな阿呆。 「あぁー!五月蝿い!!」 数分前からずっとメール着信を告げる音声を出し続ける通信機、俺の仕事道具。 本来ならこんなもので目を覚ます事はない。 音声なんて一回鳴って終わりだし、音自体もそんなに大きくはない。 ただ、それが何度も続くとなると話は別だ。五月蝿くて仕方が無い。 「一体何がどうなって何度も何度も…!」 ベッドから飛び起き、通信機に向かい独り言をぶつくさ言いながら操作する。 メール受信数はおよそ60個、しかも送信者も一人なら内容も全て同じ。 【ヴァネッサ=ウィリアム】 【とりあえず目を覚ましなさい、起きたら返信しなさい。】 こんな内容のメールが60個、そして今、61個目が届いた。 普通なら呆れを通り越し怒りを覚える状況だが、あの女に常識は通じない。 何度も何度も同じメールを送りつけられるのが続くのは流石に嫌気がする。 とりあえず返信しなければならない。そうすればこの嵐は止むだろう。 【相変わらず非常識の固まりで出来てやがるな、何の用だ。】 【おはよう、ワイズ。早速だけど仕事の依頼よ】 【ここまでされててめぇの依頼を受けるつもりはない】 【とりあえず今から送るものを見て頂戴、返事はそれから】 数秒後、すぐにメールが届いた。添付ファイルが二件。 長ったらしい文章が数十行にも及ぶなんとも事務的なメールが添付されていた。 その時、まったく同じ件名のメールが61個の中に入ってるのに気づいた。 長過ぎるので要約すると、内容はこうだ。 三代企業クレスト・ミラージュ・キサラギの合同新企画だ。 その三代企業が技術の粋を集めて作り出したVRシステム。 広大な敷地の中にレイヴンを放り込み、様々な状況でトレーニングできる。 砂漠・密林・山岳・海岸等ありとあらゆる場所を一つのVRシステムに配置。 システムとは言えあまりにも広大。AC30機くらいなら同時に入れる。 その新システムを利用し、レイヴンを使ったイベントを開催するとのこと。 5人でレイヴンチームを作り、全5チームでのサバイバルバトルをする。 正直言って俺には興味の涌かないメールだった。 確かに素晴らしいモノを作り上げたのは認めるが、何故今更こんな事を。 第一、あいつはなんで俺にこんなものを見せたんだ? そもそも俺自身に届いている、これも謎の一つだ。俺はレイヴンじゃない。 どう答えれば良いか解らないまま送られて来たもう一つの添付ファイルを開く。 中身を見て俺は驚愕した。それはもう声を出し、少し叫び声を上げた。 【言いたい事は良く解った、俺に何をしろと言うんだ?】 【そうね、私に協力して貰おうかしら。色々と私だけじゃ無理だしね】 【解った、手伝おう。良し、今すぐその子を自由にしろ】 俺は急いでメールを送った。その画面には添付されていた画像が表示されている。 嫌な微笑みを浮かべるヴァネッサと、その横にあるベッドで寝てる王猫天。 どういう経緯かは解らないが、脅迫に使うという事は無事だという事だ。 この時、生まれて初めて幼なじみである奴が同性愛者だと言う事を恨んだ。 ドアをノックする。勿論彼女、ヴァネッサの部屋のドアだ。 あれから急いでこの部屋に来た。王猫天を救出する為に。 「早かったわね、大丈夫よー。なんにもして無いから」 「何もしてないなら何故お前の部屋のベッドで寝てるんだよ」 「…まだ、気づいてないの?貴方にゃんにゃんの事になると変わるわね」 「なにを…言っている」言いながら俺は部屋の奥のベッドを見た。 確かにそこには人が寝ていた、だが王猫天ではない。 彼女のオペレータ兼現恋人のルミエだった。 「気づいた?あれ、合成なのよ。しかももの凄く簡単な。」 俺はその場にうなだれ、全ての気力を失った。 「どういう事だ、今更俺がお前に協力するとでも思ってるのか?」 「協力…ね。別にしなくても良いけど。あんた変な所真面目でしょう」 「これは明らかにあんたの負け。こういうの気にするじゃない?」 「ああ…確かに俺はそういう細かい事を気にする。」 「まぁ…だからこうすれば何もせず協力するんじゃないかなー。ってね。」 「悪いが、気が変わった。違う方法で落とし前を付けさせて貰う。」 イスをから立ち上がり。彼女を少し睨め付けるように俺は言った。 「俺もこれに参加しよう。お前も参加するんだろう?」 「本気で言ってるの!?あんたレイヴンじゃないでしょ?」 「レイヴンじゃなくてもACには乗れるんだよ、しかもVRシステムだ。」 「だからって…」あきれかえった様子で彼女が言うが、俺は無視する。 「チームだったな…良し、悪いが勝たせてもらうぞ。」 「言うじゃない、面白そうね。受けて立つわ」 この俺が起きてから数時間でこのようなやり取りが行われた。 正直、この時普通に彼女に協力していれば良かったんだ。 「まずは…チーム。そうだな…あと4人集めないと」 俺は自室に戻り、それなりの友好関係を持つレイヴンを当たる。 これからは正直、色々あった。だが一人一人の経緯を話すと凄い時間がかかる。 かくかくしかじかで俺は4人の仲間を得た。 同時進行で、俺は自分の搭乗するACを組み上げた。王猫天も手伝ってくれた。 出来上がったACは王猫天が「無敵要塞WA・I・ZU」という名を付けた。 操縦法法は彼女から一応教わったが、俺には到底レイヴンにはかなわない。 よって、この機体は複雑な操縦法法を廃し、火力で力勝ちする構成だ。 レイヴンから言わせれば酷い機体構成と言えなくもないのだろうが、方法が無い。 VRイベントの詳細が決定。そんな内容のメールが届いたのはそれから数日後。 参加するレイヴンは全部で30人、6チームだ。 VRシステム内に設置された様々な場所に1チームが固まって配置に付く。 制限時間は2時間。AC同士の戦闘で勝敗が決するのが数分だという事を考えると いささか長く設定された制限時間である。 場所が広いだけにすぐに交戦状態にはならないと考えたのだろう。 制限時間を過ぎた状態で最も生き残った人数が多いチームの勝利。 生き残った人数が同じ場合は撃墜したACの数によって優劣を決める。 或いは他の全てのチームを倒し、最後のチームとなったものの勝利。 おそらく各チームが固まって行動する事が予想される。 5対5の混戦が繰り広げられ、どちらか一方の最後の一機のみが残るだろう。 全部で6チームという事を考えると制限時間以前に優勝チームは決定だ。 以上の事を俺が集めた4人のレイヴン。俺のチームメンバーに話した。 「はいはい。」王猫天が手を挙げる。 「制限時間まで逃げ回ってれば負けないんじゃないですか?」 「それもそうだな」彼女の兄、王虎天が同意する。 「全てのチームがそういう行動を取った場合、そういう事になる」 「そういう事になる、ってそれじゃ意味ない…」 肥満気味のレイヴン、グルマンディーズがしおれた声を出した。 彼もまた俺がメンバーとして選んだレイヴンだ。 お世辞にも決して強いレイヴンとは言えない。が元々リーダーが俺だ。 要するにレイヴンじゃない奴に付いて行く奴なんてそうそう居ない訳だ。 王兄妹は何も考えず協力してくれたようなもんだ、だが彼は報酬が目当てだ。 報酬とは優勝賞金等ではなく、俺が個別に用意したものだ。 要するにモノで釣った、と言う言葉が正しいだろう。それ以外に方法が無かった。 自分でもヴァネッサに仕返しをする為だけに馬鹿げた事をしているとは思った。 「解決手段といえるかどうか解らないが…」 「30分間チーム内で一機も敵ACを撃破しない状態が続くとその時点で負けだ。」 焼き付け刃のようなルールだが、意外と恐ろしいルールだ。 「戦い続けろ、ということね。逃げ回ってたらそれだけで負けかぁ…。」 彼女が最後のメンバー、ソロ=ルイだ。 恐らくメンバーの中で最も実力のあるレイヴンと言える。 彼女には以前情報を提供したレイヴンで、要するに貸し借り云々で引き込んだ。 「このルールのおかげで逃げ回るチームは無くなるだろう」 「だが、30分か…短いと考えるべきか、長いと考えるべきなのか…」 王虎天が不安げな声を出し、グルマンディーズも似たような事をつぶやく。 「まぁ、出るからには優勝を目指したいよね。」 王猫天が言った言葉を聞き、皆がそれに同意した。 俺だけは…ヴァネッサのチームにさえ勝てればそれで良かった。 自分の部屋にいる4人のレイヴンを見ながらヴァネッサは色々考えていた。 このメンバーを良く集められたものだ、とかやっぱりコルセスカだ、とか。 彼女はまずロビンフッドに声をかけ、 そこから彼女の姉であるジャンヌダルクまで引き込む事に成功した。 ジャンヌダルクはかなりの実力を持つレイヴン、戦力としては多いに期待できる。 後に前々から違う意味で目をつけていたコルセスカに接触。 彼女と仲の良いクレアもついでに引き込む事に成功。 ヴァネッサはいとも簡単に実力派メンバーを集める事に成功していた。 クレアとコルセスカは戦闘に向かない性格だが、VRシステムなら問題はない。 彼女達の優しすぎる性格が邪魔する事は無いだろう。 元々アリーナの延長のようなものだから、彼女達も心置きなく戦える。 ヴァネッサは静かに勝利を、ワイズを返り討ちにする確信を得た。 一方、チーム桃白々達はこの企画を喜び、参加を即決した。 「ついに、俺たちの時代がやってきたんだ!」彼らは口々にそう叫ぶ。 3号が多きな地図を取り出し、自分たちのスタート地点配置を確認する。 密林地区、そこが彼らのスタート地点。 彼らの優勝へ向けての作戦会議は深夜遅く迄続いた。 狭い、何度も思って来たが。何度乗ってもそう思う。 なんだってACのコクピットってのはこんなに狭いのだろうか。 しかもすごく暑い、コアがオーバーヒートしたら焼け死ぬんじゃないか。 そんな事を考えながら機体の最終チェックをしていた。 「ワイズさん、そろそろ始まるみたいですよ」王猫天からの通信だ。 同時に通信機から酷く事務的な口調の女性の声が聞こえて来た。 『これより、第一回サバイバルアリーナを開始します』 サバイバルアリーナ、そんな名前。今初めて聞いたぞ…。 「始まったわ、どうするの?ワイズさん」 ソロ=ルイの声が通信機から聞こえてくる。 同時にグルマンディーズからも似たような言葉が出て来た。 「そうだな、まずは高い場所へ。」 「これだけ広いとレーダーと肉眼両方で索敵する必要がある。」 「一番高そうな場所は…あそこらへんかな」 王虎天が右腕をのばした方向には大きな山があった、山岳地区だろう。 足場は悪そうだが、その分下から探す分には見つかりにくい場所と言える。 だが、山岳地帯からスタートしたチームがいないとも限らない。 「運の問題じゃないッスかね?」 グルマンディーズが気楽に答えた。それもそうだ、と皆が納得。 俺たちは山岳地帯を目指しスタート地点ACガレージ地区から移動を開始した。 砂漠地区のど真ん中、かなり見晴らしの良い所に一つのチームが居た。 プリンセス777とヴァンダム、アクティブ・ジョー、アップルボーイ。 先ほど迄インディスクリミネイターが一緒に居たはずだった。 しかし、彼は目的がある、とだけ言い残しチームを外れ単独行動に出た。 リーダーであるヴァンダムは特に気にかける様子もなく彼を見送った。 チームの人数が減るのは忍びないが、彼ならAC数機を道連れにするだろう。 これがヴァンダムからみたインディスクリミネイターの評価だった。 因みに、彼が単独行動に出た途端、アップルボーイが安堵の声を漏らした。 ヴァネッサのチームはチームを2つに分けて行動を開始した。 ロビンフッド姉妹と残りの3人で個別に行動し、互いに定期的に通信を入れる。 別段作戦があっての事ではないが、どちらか1小隊でも残れば優勝も狙える。 ヴァネッサとクレア、コルセスカの3人は見晴らしの良い山岳地区へ。 ロビンフッド姉妹は単純に見てみたいという気楽な理由から海岸地区へ向かった。 見晴らしが良い、という事は敵に見つかりやすく、また敵を見つけやすい場所。 どうやらヴァンダムチームは運に味方されたらしく、敵を見つける側だった。 密林地区へと進んで行く赤めのフロート機体、桃白々FIVE号の機体を見つけた。 「一機か…妙ですね」アップルボーイが不安げに言う。 「単純に味方とはぐれたという見方も出来る」 アクティブ・ジョーが仮説を立ててみたがプリンセス777が言葉を挟む。 「スタート地点が同じなのにはぐれたりするかしら?」 「黙っている訳にもいかない、30分ルールもある」 行くしか無い、これがリーダー・ヴァンダムの下した結論だった。 レーダーに突如映った4つの反応を見て桃白々FIVE号が通信を入れる。 「リーダー、来ました。でも一機少ないですね。四機です」 「手はず通りに頼む、仲間割れでもしたか一人だけ別行動か」 「どちらにせよあんまり問題にはならないんじゃない?」 二人の会話にⅣ号が言葉を添える。 「フロートは流石に早いな。追いつけないか…」 密林に入って行くFIVE号の機体を見ながらヴァンダムが思わず漏らした。 「仕方が無いわね、視界が悪くなるけど。」 4機のACが続けて密林の仲へと入って行く。 FIVE号が突然急旋回し、プラズマライフルを固まっている4機に撃ち込む。 突然の攻撃ではあるが距離があったため、4人は難なく躱す。 「当たらない攻撃程醜いものはないわね…。」 ヴァンダムとプリンセス777が声を揃えてFIVE号に向かって叫ぶ。 『我々の美しく華麗で、かつカッコイイ戦いの前に敗れ去るが良いッ!』 アップルボーイは一人静かにため息を付いた。 無駄とも思える自分なりのカッコイイ動きを取り入れつつFIVE号に攻撃する。 自分に酔いしれながら攻撃する2人と、黙々と追撃する2人。 だが、アクティブ・ジョーが異変に気づいた。 「やはり罠か、囲まれてる!」周辺に4つの反応が現れていた。 「フフフ…密林仕様明細ヴァージョンのチーム桃白々の参上だ!」 一号のかけ声とともにどこからともなく銃弾が飛んでくる。 レーダーで大体の位置はつかめるが視認が非常に困難。 視認が容易な囮役のFIVE号はフロートの機動力を生かして逃げ回る。 完全に策にはまったヴァンダム達は苦戦を強いられていた。 数の上でも不利な上に、まともに敵の位置を把握出来ない。 数分銃弾とミサイルが飛び交う状況が続いたが桃白々が勝負に出た。 ここで彼らに勝利を収めても残り時間はかなりある。 被弾こそ少ないが、現状であまり装甲を削られるわけにもいかない。 「皆、行くぞ!」「了解!!」 「くそッ、囲まれてちゃここを抜け出せもしないッ!」 イライラしながら戦うアクティブ・ジョーの目の前に桃白々3号が飛び出した。 同時にアップルボーイの真横に2号が飛び出す形となる。 『必殺!ど ど ん ぱ ! !』両者が同時に叫ぶ。 密林の中に轟音が鳴り響き、2機のACはもろくも崩れ去った。 「馬鹿…な」「そんな、これじゃまるで…出オ…チ」 「これがどどんぱの威力よ!」得意げにⅣ号が言う。 その言葉を聞いて残りのプリンセス777とヴァンダムの動きが急に止まる。 突然停止したACを前に思わず動きを止めてしまった一号と2号。 どどんぱの準備をしていたが、ただならぬ2人の気配に気圧されたようだ。 「ひ…必殺技ですって…?」プリンセス777の震えた声。 「馬鹿な…我々でさえ…」ヴァンダムも震えた声をしている。 「そ…そうだ、俺たちチーム桃白々の必殺技だ」一号が律儀に答える。 突如、2機とも両腕をだらしなく下げ、戦意を喪失した様子。 「我々でさえ…華麗なる戦いの境地。そう…必殺技を持たないというのに…」 「貴方達は…既に必殺技を…」二人とも消え入りそうな声でつぶやく。 『我々の…負けだ』二人はあっさり負けを認め。ACの機能を停止した。 「なんだか良く解らないけど…ラッキー…?」2号がささやく 山岳地帯を目指していたワイズ達の目の前に突如としてACが現れた。 「うおッ!?」思わず素っ頓狂な声を上げるワイズ。 彼の実戦経験は無いに等しい、よって初めてレイヴンと対峙する事になった。 しかし、相手側のレイヴンも「きゃあ!!」と声を上げた。 どうやら相手側のレイヴンはチームとはぐれてしまったらしい。 5対1という圧倒的な状況の前に相手側レイヴンは負けを覚悟したようだ。 だが、負けを覚悟したからといって降参するわけではない。 覚悟を決め、一機でも道連れにと突撃して来た。 勝敗は数十秒で決してしまった。 圧倒的火力を持つ無敵要塞を筆頭にレイヴン5人が相手ではなす術が無い。 相手側のレイヴンを確認する暇もなく袋だたきにしてしまった。 ワイズにとっては少し心苦しい展開であったが、レイヴンの厳しさも知った。 『敵ACを確認、ヤクシニです』遅すぎる頭部AIの音声。 彼らがリンチのごとく瞬殺したのはレイヴン[強化人間?297]だった。 ワイズだけでなく他の4人の胸がかなり痛んだ。 しかし、どうして彼女が仲間と逸れたのか。ワイズのみが全うな理由を知る。 こうして彼らは山岳地区のひときわ高い場所へ辿り着いた。 そこで彼らは少し離れた場所にある海岸でレイヴン同士の戦闘を見た。 相談した結果、彼らは漁夫の利を狙うという少々セコイ行動へと移る。 「これは…明らかにACの足跡…よね?」 私が二人へ問いかけると、肯定の返事が返って来た。 「ここにACが居たというのは事実でしょう」クレアが冷静に続ける。 こういう状況では地面のACの足跡はかなり役に立つ。 同じような形状の足跡からして二脚と四脚…そしてタンクのようね。 足跡の大きさで大体脚部が絞れてくる、かなり良い判断材料になった。 追うべきか否か…少し相談してみる事にする。 「でも30分まで残り時間も少ないです」 コルセスカが言い終わると同時くらいに通信機から声がした。 「時間なんて気にしなくていいぜ、お前達はここでリタイアだ!」 「敵!?二人とも注意して!」私は声を張り上げる。 『敵ACを確認、ガ・チャピーン・Over=Q・リザードヘッドです』 厄介な相手ね…最初の2人なんか特に。 「ガチャ…ってあの?」「みたいねぇ…」 二人の言葉が聞こえて来たけど、どうでも良いような事。 第一、彼らの能力は詳しくは知らない。単純に強いか弱いかさえも知らない。 ナメてかかると必ず痛い目を見る、レイヴンとしての経験が物語る。 「距離をとって暫く様子をみましょう。」 レールガンを撃ち込みながら二人に注意を呼びかける。 直後、レールガンから放たれた銃弾がガチャ・ピーンの機体に直撃した。 「クッ…やるじゃないか。だがこれからだ!」 「大丈夫?私は暫く休戦するから宜しくね」 「何だと!?お前まだ何もしていないだろう、真面目にやれ。死にたいのか!」 「む…ここじゃ死にませんよ。それに、もう色々汚れちゃってるんです!」 緊張感のない奴らだった。私は途端になんだか悲しくなってきた。 「二人とも…聞こえる?正直イライラしてるんだけど、どう?」 「あえて手を出さないで逃げるという事も出来ます」 コルセスカらしい答え、無駄な争いは避けたいという所かしらね。 結局、バズーカとレールガンを数発撃ち込みつつ後退した。 数秒後、私の後ろを行っていた二人の驚いた声が聞こえた。 迂闊だった、人数が3人という所になんの違和感も覚えなかった自分が馬鹿だ。 『敵増援を確認、馬鹿力・ジャミングワーカーです』 AIの音声を聞いて思う。増援も…変わり者を集めたチームなのかしら? でも、レイヴンはレイヴン。数で圧倒的不利になってしまった。 クレアとコルセスカは元々腕は良いが実力をフルに発揮できる事は少ない。 相手が死なないアリーナではある程度実力は発揮できるだろうけど…。 「どうしましょう!?」応戦しつつクレアが叫んだ。 5対3。この状況じゃどううまくやっても相打ちが限度。 残る選択肢は敵前逃亡しか無かったが、増援とで挟み撃ちにされている状況。 「私が囮になります、その隙にお二人は逃げて下さい」 コルセスカが言い終わるや否や、彼らに向かってブーストを吹かし、進んで行く。 彼女の決断に関して、今はとやかく言ってる場合じゃない。 二人はコルセスカとの後方を追い、増援の二人の間を縫うように逃げさる。 追いかけようとするパズルギミック・田中健にコルセスカが応戦する。 振り返らずまっすぐ山岳地帯を目指し全速力で移動する私とクレア。 身を潜める場所を見つけるのと同時にACジュニアスの反応がレーダーから消えた。 同時刻、ワイズ達が見つけたのはAC二機、そしてその二機に向かって進むAC。 交戦状態になるのは容易に把握出来た。 彼らは戦いが終わり生存したACを叩く、という作戦に出た。 娯楽性の強い今回の企画だが、だからと行って手を抜く必要はない。 戦場で実際にこのような状況に居合わせれば、レイヴンなら当然の行動だろう。 海岸地区に居たAC二機、ロビンフッド姉妹。 コルセスカの脱落をヴァネッサから聞き、ロビンフッドが肩を落とす。 しかし、彼女らには仲間の脱落に悲しむ暇も無かった。 ジャンヌダルクがレーダーにACの反応を確認し、妹に注意を促す。 「ロビン、ACが一機。こちらへ向かって来てるわ」 「一機?チーム丸ごとじゃなくて?」「何かしらねぇ…」 向かってくるACに応戦体制を整えるシャーウッドとディヴァインメイデン。 ほどなくして一機のACが目の前にブーストを吹かしつつ降り立った。 「攻撃してこないとは…余裕だな」降り立ったレイヴンからの通信。 「お互い様でしょう、なにより貴方は一人だわ」ロビンが答える。 だが、レイヴンはロビンを無視しジャンヌダルクに通信を送る。 「レイヴン…ジャンヌダルク。だな?」 「そう…だけど。あなたは…インディスクリミネイターね?」 「手合わせ願いたい」「手合わせ?これはチームアリーナだけど?」 「そんなもの俺には関係ない。ただ貴様と戦う、その為だけに参加した。」 暫く黙っていたジャンヌダルクにロビンが不安げに聞く。 「…どうするの?姉さん」 ジャンヌダルクは答えた「いいでしょう、受けて立ちます。」 その言葉を合図に二人は戦闘を開始した。ロビンフッドはただ行く末を見守る。 このアリーナが行われてから既に一時間が経過している。 ちょうどそんな時刻、とある研究施設に一人のレイヴンが居た。 彼の名はケルビム。彼は今、新型兵器のコクピットに座っていた。 「レイヴン、これが最終テストになるだろう。思う存分暴れてくれ。」 「準備はできてる、いつでもいいぜ」 漆黒の巨大なMTともACともつかない兵器を前に、一人の研究者が立つ。 「ハッキングを開始しろ」彼の言葉とともに側にいた数人が何かを操作し始める。 『システムオールグリーン。[セラフィム]起動します」 「強い…これが…」呟きながら目の前のACを追うインディスクリミネイター。 彼のACセルフィッシュはかなりの被弾で装甲はかなり削られていた。 ジャンヌダクルクの搭乗するACディヴァインメイデンも又、随分と損傷している。 彼らの実力は互角とも言えた、既に消耗戦だった。 ロビンフッドは姉に加勢したい気持ちを抑え、ただただ見守るだけだった。 どうにもならない状況を前に、ただ立ち尽くす自分。 だが、この状況は誰もが予想だにしない打破の仕方を起こす。 『緊急事態です!システムがハッキングを受けました。』 『現在解析を急いでいます、戦闘を中止してください。プログラムは中止です』 打って変わって酷く取り乱した女性の声が通信機から聞こえて来たのだった。 ハッキング…?三代企業が合同に制作したプログラムに? 一般人には到底できない芸当だ、一体…誰がなんの目的で…。 混乱しつつも考えを巡らせていた俺にグルマンディーズの声が聞こえて来た。 「あれ…なんですかね…?」 見晴らしの良い場所に居たから気づいたのだろう。 海岸地区…先ほどまでACが交戦していた場所の奥、海のど真ん中に何かが居た。 「なに…あれ?」メンバー全員が不思議そうに見つめる中、物体が進行を続けた。 海岸地区のレイヴンは気づいていない様子だった。 このままじゃマズイ、アレが何かは解らないが。このままだと接触する。 「皆、通信が届く範囲まで近づくぞ。あのレイヴン達は気づいていないようだ」 全速力で彼らの元に近づいて行く。 どうやら主催者からの通信のおかげで戦闘は止めたようだ。 滝の上から飛び降り、彼らのすぐ近くへと着地する。この距離なら通信が出来る。 「ロビンフッドにジャンヌダルク、お前達か。俺だ、ワイズだ。」 「ワイズさん?なんで此処に…ってさっきのは一体?」 ロビンフッドが不安そうに訪ねるのを聞いて王虎天が答える。 「なんだかヤバそうなものがこっちに近づいて来てる、とにかく離れた方が良い」 「この先に砂漠が広がっている場所がある。とにかくそこを目指そう。」 言うが早いか、俺は砂漠地区を目指して進んで行く。 皆が後ろに続く中、姉妹と一緒に居たレイヴンが空高く跳躍した。 おそらく彼はアレを目視しただろう、案の定彼から声が漏れた。 「これは…一体…。」 「レイヴン、ハッキングに成功した。ここからは君に任せる」 「了解、っと、海の真上か。酷い所に出たな…いや、そうでもないか」 遠くに広がる砂浜にACが3機。これは予想外に良い偶然だと言える。 「[セラフィム]か…こいつで1時間自由に暴れて良いんだよな?」 「ああ、問題ない。寧ろこの場にいる全てのレイヴンを撃破してくれて構わない」 「我々が今欲しいのは[セラフィム]の実践データだ」 「VRシステムじゃ本物には影響でないしな、テストには好都合ってわけか。」 彼はセラフィムを前進させた。新型の起動兵器の最終テストの為に。 砂漠地区へと到着した俺達は各々ジャンプを繰り返し、様子を見た。 「近づいて来てる…第一あれは一体何?」ソロ=ルイが言う。 「おそらく、だが。あれがハッキングの影響の何かだろう。」 「不法侵入したと考えるのが妥当だな、そして目的は多分レイヴンにある」 「にしてもデカイ…む、胸のあたりにやたらデカイ砲台があるぞ」 王虎天がいくつかの特徴を発見した、結果戦闘型兵器だとの結論に達した。 「巨大な砲台が一つ…と左右4つずつの砲門が計8つ。完全な武装だよなぁ」 砂漠地区を抜けるにはまだ時間がかかる、どうするべきか俺は悩んだ。 どうすれば良いのかは解らなかったが、大体の見当が付いた。 俺と全く同じ結論に達したであろうインディスクリミネイターが皆に伝えた。 「ハッキングの原因は十中八九アイツだ。ならば、破壊するしかあるまい。」 彼の言葉を受け、俺が続けた。 「だろうな、外側…管理側からの手助けは正直期待出来ない。」 「事実侵入を許したわけだからな、奴を排除し、正常な状態に戻す必要がある…」 「そんな事しなくてもVRシステムなんだからやられれば帰れるんじゃないの?」 王猫天が言ったが、ジャンヌダルクが遮った。 「こんな状況でやすやすとやられるわけにも行かないんじゃない?」 皆、覚悟を決めた。ACの移動を止め、旋回し、兵器を迎え撃つ格好。 暫くして巨大兵器の進行が止まり、同時に搭乗者と思わしき男の声が聞こえた。 「よーぅ、逃げるのはヤメにしたのかい?ま、何もしなくても追いついたがな」 「人が乗ってるとはな、お前の目的は何だ?何をするつもりなんだ!」 通信の声に向かって叫ぶも、男は笑いながら言葉を返す。 「簡単だよ、このセラフィムでお前達レイヴン相手にテスト、それだけだ」 言い終わると、先ほどまでとは見違えるスピードでこちらへと進んで来た。 「ふざけるなよ、何がテストだ。めちゃくちゃにしやがって!」 「さぁ、ショータイムだ!!」男の声と同時にセラフィムが攻撃を開始する。 大量の、50発近いミサイルが一斉にこちらへ向かって飛んでくる。 皆、それぞれに回避行動を取りつつ、反撃を行うが。目に見えてダメージは無い。 「ハハッ、やっぱレイヴンにミサイルなんて効かないか」 「だが、お前達の攻撃も俺には効かねぇんだよ!!」 左右4つの砲門がそれぞれグレネードを発射。 8発もの連続で飛んでくるグレネードを前に、驚き、回避が遅れる。 着弾したのはグルマンディーズと俺。だが、不幸中の幸いか酷い損傷ではない。 反撃に両手のカラサワを撃ち込むも、大した損傷は見受けられない。 代わりに胸の巨大な砲台から恐ろしい速さと大きさのレーザーが放たれた。 「ワイズさんッ!」レーザーから俺を守るように王猫天が盾になる。 俺は何事かを叫んだが、凄まじい着弾音でかき消されてしまった。 目の前に残ったのは崩れ落ちるホアーの姿だけだった。 「王猫天!!」メンバーが口々に叫ぶも、次の瞬間には彼女の機体は消え失せた。 死んだ訳ではない、恐らくはシステム外に、つまりは脱落しただけだろう。 だが、ずけずけと入り込んで来た不届きものにやられた怒りは相当なものだ。 「集中攻撃だ、まずはあの忌々しい砲台を狙え。」 インディスクリミネイターが通信と同時に砲台に向かってミサイルを放った。 皆も俺も砲台に向かって集中攻撃を仕掛けた、これで砲台を破壊出来る。 しかし、全ての銃弾・レーザーは砲台へ届く前にバリアに衝突し消え失せた。 「嘘だろ!?」思わずグルマンディーズが叫んだ。 「バリアまで装備してるとは…」ソロ=ルイも落胆した調子でささやく。 「あー、悪い悪い。さすがに主砲は簡単に落とす訳にはいかないんでね」 絶望という言葉をこの時俺は初めて身をもって体験する事になった。 「バリアか、厄介ね。でもノーリスクでは展開できないでしょう」 ジャンヌダルクが冷静に解析した。 あえほどのバリアを展開するには相当のエネルギーが必要なはず。 そう何度も続けて、かつ長時間は展開していられないと判断した。 案の定、バリアは数秒で解けた。が、代わりにミサイルとグレネードの嵐だった。 圧倒的な物量で皆、簡単に避ける事が出来ない。数発は被弾が続く。 一方的にやられるわけもなく反撃もするが、目に見えてダメージはない。 「空中に浮遊しているということはそういう装置があるということだ」 セルフィッシュが螺旋を描きながら上昇し、華麗にミサイルを躱す。 着地と同時にブーストを目いっぱい吹かし、最大速度で進んで行く。 「おお?何する気だ、お前。諦めてやられに来たのか?」 足下に急接近するセルフィッシュを前にケルビムが笑い声を上げる。 兵器の腕と思わしき部分から銃弾が雨のようにセルフィッシュに降り注ぐ。 恐らくは大型化したチェインガンを仕込んでいるのだろう。 予想だにしない攻撃にセルフィッシュは手痛いダメージを負う事になった。 だが、彼は被弾を最小限に抑えつつ、セラフィムの真下へ潜り込む事に成功。 「随分粗末な作りだな」 外見上解らなく作ってあるつもりのブースターを眺め、彼が皮肉る。 「後は任せたぞ、レイヴン達」 ブースターに向かって攻撃し、破壊。同時にセラフィムが轟音と共に地に落ちる。 真下へ潜り込んだセルフィッシュはセラフィムの巨体に埋もれる形となった。 レーダーからインディスクリミネイターの反応も同時に消え去る。 「くそっ、阿呆共め。もう少し頑丈に作るとか考えなかったのか!」 今や、身動きがとれず。ただ攻撃するしかないセラフィムに怒りを覚える。 旋回もままならない現状では後ろに回り込むAC達の攻撃を受けるがままだ。 上半身・下半身と分けるならば腰のあたりで旋回は可能だがいかんせん遅い。 飛び回るAC達を前に主にミサイルを使って攻撃を繰り返すセラフィム。 「一体どれだけ弾を積んでるの…」 ロビンフッドが信じられない、というような声を上げるが。攻撃は止まない。 セラフィムの損傷は激しかった。もはやただの的状態である。 8門あったグレネードの砲門も今やほとんどが潰され、機能を停止している。 「もう終わりだ、全ての攻撃手段を絶たせてもらう!」 ワイズが叫ぶと同時に、一斉に攻撃を仕掛ける。 だが、バリアを展開し、セラフィムにダメージは通らない。 「いつまでその状態が続くかな?」 バリアを展開するセラフィムを前に、皆、一旦攻撃を止める。 「無駄にデカすぎる、そんなんで俺達に勝とうってのが間違いだな」 グルマンディーズがセラフィム搭乗者に向かって挑発する。 『バリア展開限界まで残り5秒です、4…3…2…』 セラフィムのAIが事務的な声を出す。 「くそッくそッ!こんな奴らに、畜生。もっと…頑丈に。もっと…強く」 ケルビムはどうにもならない兵器を前に腹を立て、操縦桿を殴りつける。 バリアが切れ、目の前のACから一斉攻撃を受ける。 確実に主砲に向かって進んでくる銃弾を前にケルビムは叫ぶ。 「ちくしょおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!」 攻撃手段を失い、事実上敗北したセラフィムは後に自爆し、消滅した。 その巨大な爆発と轟音で参加していたレイヴンが集まって来た。 皆、何があったのかと口々に聞くが詳しい話はしない方が良さそうだ。 ただ、俺は俺でアレを調べる必要がある。 VRシステムに侵入したということは実物があるということだ。 しかも男はテストだ、とも言っていた。改善・強化するつもりだろう。 今回はインディスクリミネイターの捨て身でどうにか勝利した。 が、現実に命を投げ捨てて迄あのような行為はできない。 実物が存在しているという事実、これはかなりの脅威となる。 そんな事を一人黙々と思案していると、ヴァネッサから通信が入った。 「何があったのかは詳しく聞かないわ、その方が良さそうだし…」 「ああ…そうだな。」 「ねぇ、当初の目的覚えてる?」 「そういえば…お前への仕返しが参加の動機だったな。」 「どう?決着つける?」 俺は一人苦笑して通信機に向かって言った。 「いや、できればもうACには乗りたくもない。遠慮しておくよ…」 俺は、レイヴンにはなれそうもないなぁ。リポーターで十分だよ。
https://w.atwiki.jp/1548908-08/pages/920.html
サバイバル5連戦の参考デッキ:天上守護者セフォリル(DU):秩序の世界 モンスター 15枚 天空聖者メルティウス×3 ジェルエンデュオ×3 勝利の導き手フレイヤ×3 智天使ハーヴェスト×3 光の追放者×3 魔法 13枚 大嵐×1 サイクロン×1 地砕き×1 収縮×1 タイムカプセル×1 ダグラの剣×2 テラ・フォーミング×1 天空の聖域×3 封印の黄金櫃×1 我が身を盾に×1 罠 12枚 生贄封じの仮面×3 キックバック×3 聖なるバリア-ミラーフォース-×1 天罰×2 封魔の呪印×2 マジック・ジャマー×1 計 40枚 天使族パーミッションです。 必要なカードの入ったパックの出現時期が比較的早く、ライフゲイン要素が自然に入ります。 5連戦はいずれも生け贄召喚で厄介なモンスターが出てくるので生贄封じの仮面がキーになります。 また、敵デッキはいずれもリクルーターやダンディライオン等を採用しているので光の追放者を表側表示で維持できればそれらを無効化できます。 我が身を盾にのライフコストはライフポイントサバイバルでは少々きついかもしれない。 コストがきついという人はデッキから抜き、収縮や地割れ、光の護封剣などを投入しよう。
https://w.atwiki.jp/wipeout2048/pages/28.html
本作に登場するクラフト 本作には、Feisar(フェイザー)、AG-Systems(AG-システム)、Qirex(キレックス)、Auricom(オーリコム)、Pir-hana(ピラナ)の5つのチームが搭乗する。各チームに、スピード、アジリティ、ファイター、そしてプロトタイプの4種類のクラフトがあり、合計で20のクラフトが(最終的には)使用可能である。 名前からもわかるとおり、スピードクラフトは最高速度重視、アジリティクラフトはハンドリング重視、そしてファイタークラフトは攻撃力・シールド性能重視になっている。このため、基本的にはレースイベントやタイムトライアルはスピードクラフトで、ゾーンはアジリティクラフトで、そしてコンバットはファイタークラフトで行うことになる。また、各クラフトタイプでは使用できるアイテムの種類が異なる。 スピードクラフト その名の通りスピードがうり。余程特殊な状況や縛りプレイを除いては、基本的にはレースイベントはスピードクラフトで安定。スピードクラフト間では最高速度に差があり、基本的には遅いクラフトほどハンドリングが良く、速いクラフトほどハンドリングが悪い傾向にある。クラフト間の最高速度の差は、低いクラスほど顕著であり、A+クラスではほとんど(全く?)差が無い。クラフトタイプの中で一番使用アイテムの制限があり、クエイクとボムは使えない。マインは使用可。 アジリティクラフト ハンドリング性能がうり。ゾーンモードにはもってこい。本作では、ゾーンモードでもそのままクラフトの性能が反映されるため、クラフトの選択がゾーンモードの成績に影響しうる。また、スピードクラフトに劣るものの、最高速度もそれなりに持ち合わせているので、レースイベントでもそこそこ活躍できる。マインとクエイクが利用可能。ボムは使えない。 ファイタークラフト 高い攻撃力とシールド性能を有し、唯一ボムが使用できるクラフト。マインは使用不可になっている。レースイベントでは余程技量に差が無い限りスピードクラフト相手に勝つことは困難である。また、コースの分岐が多い本作では、ウエポン当てまくってもあっさりと逃げられてしまうこと、コース幅が広いためボムが避けやすいことから、基本的にはコンバットイベント向けである。 プロトタイプクラフト 各チームに一台設定されており、どれもスピード、アジリティ、ファイターのいずれかに分類される。通常の機体と大きく違うのは、何らかの「特殊機能」が備わっている点である(ゾーンモードでは無効化される)。同時に、何らかの大きな「癖」がある。一見ネタの様なクラフトばかりだが、使い方・コース次第では高い性能を発揮する。 コメント欄 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/abiotic_factor/
このwikiは、Steamで販売中のサバイバルクラフトゲーム、Abiotic Factorの非公式wikiです。 【公式Steamストアページ】:https //store.steampowered.com/app/427410/Abiotic_Factor/ 皆さま、編集作業、有難う御座います。 攻略情報あれば、ぜひ雑談・質問・情報提供までコメントをお寄せください。 編集メンバー申請者の方々、5/28日分まで承認いたしました。ご協力有難う御座います。 ※編集内容については基本的に各編集様に任せますが、管理人も各ページの体裁を整えるため多少の編集を行う場合がありますのでご容赦ください。 編集される方は、編集相談にもお目通し頂けますと助かります。 ※当wikiは非公式の攻略wikiです。情報の妥当性や正確性について保証するものではなく、一切の責任を負いかねます。 ※当wikiを利用することによって生じるいかなる損害も当サイトでは補償致しません。 ※ご利用につきましては自己責任となりますのでご注意ください。 ※また、当wikiおよびwiki管理人はDeep Field Games様とは一切関係がありません。 wiki管理人にエラーなどについて問い合わせないようお願いします。 ※文章の著作権は当wikiにあります。内容の複写、転載を禁じます。 ※当wikiで使用している画像、情報等の権利は、Deep Field Games及び、Playstack社に帰属します。
https://w.atwiki.jp/nijigenhakoniwa/pages/18.html
災害サバイバル 次々に襲いかかってくる災害に耐え、一人でどれだけ長い間 無人島にならずに生き延びるかの個人ゲーム 基本情報 生き残れたターン数によって順位がつけられる 災害発生率は秘密 4時間更新 初期資金のみ9999億 埋蔵金発見率100% 伐採はターン消費無し ○○島(6)の状態でターン更新すると放棄 災厄回避コマンド追加(そのターンは災害が起きないらしい) 高速防衛施設建設では自爆不可(高速防衛建設→防衛建設は自爆可) あるターン数まで生き残ることが出来れば殿堂入りとなり、ホームページの殿堂に名前が残ります。 二次元箱庭諸島に島を所有している方は、殿堂入りのターン以降Tuin申請をすることが可能です。 コマンド一覧 + 省略されています。全て読むにはクリックしてください。 整地(5億円) 埋蔵金発見率100% 金額は長く生存するほど増える 地ならし(30億円) 埋め立て(30億円) 掘削(30億円) 油田収入は変動する 伐採(無料) ターン消費無し 植林(5億円) 農場整備(20億円) 工場建設(10億円) 採掘場整備(20億円) ミサイル基地建設(20億円) 防衛施設建設(30億円) 海底基地建設(70億円) 記念碑建造(30億円) ハリボテ設置(1億円) 一括地ならし(無料) 高速埋め立て(70億円) 高速掘削(50億円) 高速植林(30億円) 高速農場整備(70億円) 高速工場建設(40億円) 高速ミ基地建設(70億円) 高速防衛建設(90億円) 高速防衛施設建設では自爆不可 ミサイル発射(5億円) PPミサイル発射(10億円) STミサイル発射(9999億円) 発射不可 陸地破壊弾発射(30億円) 怪獣派遣(9999億円) 使用できるが出現しない 食料輸出(10000トン) 資金繰り(無料) 資金援助(無料) 食料援助(無料) 誘致活動(30億円) 災厄回避(1500億円) そのターン災害が起きない 島の放棄(無料) アドバイス 詳細な設定が明らかにされてないので本内容には、 事実誤認が有るかもしれません。ご注意ください。 序盤は通常の箱庭と大きな差異はなく比較的平和です。 100ターンを超えると災害が本格化し人類を根絶やしにしようとしてくる。 始めから9999億をもってますので島を広げつつ食料を貯めておくと良いでしょう。 余裕があるときは採掘場などをバラバラに配置しておくと後で助かります。 火災は森に隣接させておけば防げるので本箱庭では優しい災害です。植林しよう。 この箱庭は埋蔵金発見率100%なのでお金に困ったらとりあえず整地すると良い。 津波は2マス以上海に隣接していると被害を受ける。埋め立てて1マスだけにしておこう。 台風は森で農場を囲めば防げるが他の災害で破壊されるので諦めよう。 100ターンになると面積に関係なく地盤沈下する。(200ターンでもする) 島を十分に広げるか災厄回避コマンドを使おう。 100ターンを超えると面積ラインが1000低下し8000万坪から沈下するようになる。(200ターンでもなる) 噴火も相まって地盤沈下しやすくなる。山は沈下しないので活用しよう。 地震や怪獣はピンポイントに人類を狙ってくる。退治が面倒なら沈下と一緒に沈んでもらうのが吉だ。 隕石や巨大隕石は天に祈ろう。 長く生き残る秘訣は頻繁に更新を確認することです。終盤は特に。 意見、反論、その他もろもろ 50ターンで高確率で沈下? -- もちきんちゃく (2016-06-19 17 31 13) 油田出なくて即放棄する、油田リセマラは許されるらしい… -- ヌスマ (2016-06-24 22 54 26) ターン100確定沈下 110くらいから災害が殺しにくる 毎ターン整地して埋蔵金を得よう -- 名無しさん (2021-03-23 11 44 56) 名前 コメント